ギター弦張り替え&メンテナンス講座が終了しました

当教室恒例の講座のひとつでもある弦張り替え&メンテナンス講座が終了しました。

本講座は、参加者のみなさまにギターの弦の張り替えと簡単なギターのメンテナンスを体験していただく内容となっています。

大まかな流れは以下のとおりです。

1.古い弦を外す
2.指板とボディーのクリーニング
3.新しい弦を張る

古い弦を外す

まずは古い弦を外していきます。弦の張力がなくなるまでペグを緩めます。何回も手で回すとつかれるのでこのようにストリングスワインダーを使用するのをおすすめします。今回使用したストリングスワインダーはDADDARIO ( ダダリオ ) / PWPW1です。

弦の外し方は色々とありますが、僕の場合は弦を緩めた後、12フレット辺りからギター用のニッパーで古い弦を切ってしまいます。この方が弦をギター本体から外しやすいのですよね。ちなみに弦を切るニッパーですが、弦はとても硬いので、普通のニッパーだと刃こぼれしたり刃がかけてしまうかも知れないので、ギター専用のニッパーをおすすめします。今回使用したニッパーは、PICKBOY ( ピックボーイ ) / SC-150 です。

指板とボディーのクリーニング


弦を外し終わったら指板のクリーニングです。場合によっては指板のクリーニングの前にフレット磨きを行うこともあります。今回はそれほどフレットが汚れてなかったのでフレット磨きは行いませんでした。布にオイルを適量に塗布して指板をクリーニングしていきます。このオイルはクリーニング以外にも指板を保護する役目もあります。今回使用したオイルはFreedom Custom Guitar( フリーダムカスタムギターリサーチ ) /SP-P-11 Lemon Oilです。

指板のクリーニングが終わったらボディー全体を手入れしていきます。基本は乾拭きで十分ですが、汚れが目立つ時は専用のポリッシュを使用します。このギターはサテン塗装(サラサラしていて艶なし)だったので、このようなポリッシュで手入れをすると艶が出てしまったり、シミができてしまったりする恐れもあるので、まずは目立たないところで使用して様子をみます。その他、ビンテージのギターや、塗装が少し溶けてベタベタしているような状態の楽器、セラック塗装のような繊細な塗装の楽器も同様に要注意です。このギターは大丈夫そうだったので全体をクリーニングしました。なお、今回使用したポリッシュはKEN SMITH ( ケンスミス ) / PRO FORMULA POLISHです。

新しい弦を張る

ボディー全体のクリーニングが終わったら、いよいよ新しい弦を張っていきます。自分のギターにどんな弦を張ったら良いか分からなかったり迷ったりする方が多いかと思います。弦を選ぶ際は大きくは3つのポイントがあります。それは1.材質、2.太さ、3.コーティング弦か否か。

1.の材質ですが、大きくは2つに分かれています。ひとつはブロンズ、もうひとつはフォスファーブロンズです。近年は他の材質のものもたくさんでてきていますが、大きくはこの2つです。これはもう好みで選べば良いかと思います。だいたいパッケージにどの材質かが書かれているので買う前にチェックしてみてください。フォスファーブロンズの方がブロンズに比べて若干割高になります。

2.の太さは、各メーカーで名称(MediumとかLightなど)が異なるので、名称だけで判断せずにパッケージに表示されている数値を必ずチェックしてください。

3.のコーティング弦か否かですが、張替えが面倒な方や、弦がすぐに錆びてしまう方であればコーティング弦をおすすめします。しかし、長持ちしすぎてしまい、弦を張り替える頻度が少なくなってしまうので、張り替え方を覚えたい方や、張替えが上手くなりたい方は普通の弦をおすすめします。

なお、今回使用した弦はDADDARIO ( ダダリオ ) / EJ13 80/20 Bronze Wound Custom Lightです。

弦を取り付けて行きます。ダダリオの弦は、ボールエンドに色がついていて、弦ごとに色が振り分けられています。入れる場所を間違えると後々大変なのでここは注意をしながら入れていきましょう。

これはサウンドホールからカメラを入れて撮影したものです。このようにブリッジピンにボールエンドが引っかかってるだけのシンプルな構造になっているのですが、この写真のように、ブリッジピンの先にボールエンドがひっかかってしまう場合があります。この場合、ペグを巻いていくうちに「バチンッ」とボールエンドが本来収まるところに落ちていくのですが、木部を痛めてしまうし、心臓にも悪い(結構ビックリする)ので、こうならないように注意しましょう。

このようにサウンドホールから直接手で触ってボールエンドが収まる位置にちゃんと収まってるか確認する方法もあります。

こちらが位置を修正したものです。

ボールエンド側のセッティングが無事にできたら次はいよいよ弦をペグに巻き付けていきます。ここが一番難しい所なのですよね。原則上から下に巻きますが、ギブソン巻き、マーチン巻き、シーゲル巻きなど、色んな巻き方があるので、ご自身の好みに合わせて色々と試していただけたらと思います。

そうこうしているうちに6本無事に巻き終わりました。今回参加して頂いた方は2度目の受講だったので、だいぶ手慣れてきた感じでした。弦もギターもピカピカになって気持ちいいですね。

ギター弦張り替え&メンテナンス講座を続ける理由

弦交換は、楽器店に持っていけばお店の人がやってくれるところがあります(多くは有料)でも、例えば突然弦が切れてしまった場合、お店に持っていくまで満足にギターの練習ができません。だからこそ自力で弦交換ができるようになってもらいたいのですよね。

普段のレッスンで教えることも可能ですが、交換のやり方を丁寧に教えるとなると時間があまりにも足りません。なので不定期ながらもこのような場を設けて、参加者のみなさまに実際体験して頂いていております。

また弦交換を自分で行うことによって、ギターの変化に気がつくようになります。例えばフレットの減り、指板の汚れや乾燥、ネックの反り…人任せにしてるとなかなかこの変化に気がつくことができません。あと、自力でやればお金がかかりません。浮いたお金でワンランク上のセット弦を買ったり、弦交換の頻度を上げたりした方が良いですよね。

間違った弦の張り方特集(おまけ)

最後に、過去に見てきた間違った弦の張り方を紹介いたします。このような巻き方になってしまっている方は、ぜひ次回の講座にお越しください。

弦の巻き方は原則下に向けて巻いていきますが、こちらは上の方向に巻いてしまっています。しかも弦がぐちゃぐちゃにクロスしています。

こちらもぐちゃぐちゃになってしまっていますね。あと、ペグのポストに巻きつける分の弦が長すぎます。

きれいに巻けているように見えますが、巻く方向が逆になってしまっていますね。

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